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お城大好きランナー「きゃっするひとみー」さんお城大好きランナー「きゃっするひとみー」さん

「お城マラソン」を愛するランナーはどんな魅力を感じているのか?
お城大好きランナー「きゃっするひとみー」としてメディアやイベントで活動する岩本瞳さん( 36 歳)に話を聞きました。

お城とランニングの面白さを多くの人に知ってもらいたい

私がお城に興味を持ったキッカケは、普段走っている大阪城公園で迷子になったことです。
練習後に自分が走ったルートをGPSで確認し、気になった場所を調べているうちに大阪城に興味が湧きました。
それからお城の魅力に取りつかれ、「お城とランニングの面白さを多くの人に知ってもらいたい」と考えるようになり、2018年からは「きゃっするひとみー」という名前でSNS 発信をしており、一昨年に「きゃっするランニングクラブ(CRC)」を立ち上げ、大阪城公園で週2回程度の練習会を行っています。
お城にちなんだ大会にもたくさん出ていますが、熊本城マラソンのラスト1㎞、二の丸に向かって「ウソやろ?」と思うような傾斜を駆け上がっている時は苦しい中でも、心がワクワクしました。お城を見ながら走っている時の気持ちは最高なんです!
ちなみに普段は城から城へと走って移動することもあり、長浜城から彦根城までは15km、大阪城から岸和田城までは30kmでした。
お城にちなんだレースを走っている時に「なぜここにお城が建ったのか」に思いを馳せるのもお勧めです。たとえば滋賀県にお城が多いのは交通の要所だったから。
日本の歴史や文化を学ぶキッカケにもなるんです。
石垣もお城によって様々な種類があるので、お城の周辺を走る時は(石垣を)チェックしてみると面白いですよ。
そんな私にとって「お城マラソン」企画は待望そのもの!
基本的にお城の近くにはホテルがあるので、観光を楽しむこともできます。
この企画をキッカケにぜひ各地のお城を訪れてみてください。私も立身出世を目指して楽しむぞ!

我がお城マラソン自慢

日本全国お城マラソンシリーズ参加大会の担当者に、本企画への期待やPRを語っていただきました。

水戸黄門漫遊マラソン

フィニッシュ地点は旧水戸城印籠型の完走メダルを授与

https://mitokomon-manyu-marathon.com/

水戸黄門漫遊マラソンは、スタート・フィニッシュ地点で黄門様や助さん、格さんが応援し、完走者には「印籠型メダル」が授与されるなど歴史好きなランナーにはたまらない大会です。
実はお城との関係も深く、フィニッシュ地点は旧水戸城の三の丸。ちなみに水戸城は水戸徳川家の居城で日本最大規模の土造りの平山城です。
今回、お城マラソンシリーズが始まることで、歴史好きな方がさらに集まってくれるのではと期待しています。40km過ぎには戸城へ上るための激坂があり、城マラソンらしい〝城攻め〟の気分も味わえます。
コースは偕楽園周辺を通って郊外をめぐり、33kmからは千波湖畔を周回するなど水戸市の魅力を満喫できるようになっています。沿道の途切れない応援が評判で、自己ベストを更新できたという声も聞きます。
メイン会場は水戸駅から徒歩5分とアクセスが良く、東京からは日帰りでの参加が可能です。
お城と風光明媚な景色を楽しみに、この秋は水戸黄門漫遊マラソンにぜひご参加ください。
(実行委員会事務局 久保田重光さん)

印籠を模した前回の完走メダル(写真/河原井司)

下関海響マラソン

源平から幕末までの史跡が点在〝難攻不落〟のコースを攻略

https://kaikyomarathon.jp/

関門海峡と響灘という2つの海沿いを走るコースが下関海響マラソンの特徴です。起伏があって好タイムは狙いにくいと言われていますが、この〝難攻不落〟のコースを攻略しようというランナーの参加をお待ちしています。
コースの7㎞付近の折り返しの先には串崎城跡があります。1600年代に毛利秀元が整備したと伝えられ、現在は関門海峡が一望できる関見台公園となっています。
その城下町である長府には長府毛利邸、長府庭園、長府功山寺などが残り、歴史好きの方には楽しんでいただけると思います。他にもコース沿いの壇ノ浦周辺には源平合戦の銅像や幕末に欧米諸国を攻撃した時の砲台のレプリカがあり、フェリーに乗れば宮本武蔵と佐々木小次郎が戦った巌流島にも渡れます。
フェリー乗り場の近くには海鮮丼や寿司などが食べられる唐戸市場があります。大会のスタート・フィニッシュ地点からも歩いて行ける距離なので、大会前後の観光にもお勧めです。
実は、前回の大会参加者にアンケートを取ったところ、下関を観光したというランナーは全体の25%しかいませんでした。
下関はふぐとあんこう、鯨の水揚げが日本一で、大会前日には駅の近くで商工会議所が「はりはり鍋(鯨ちゃんこ)」を無料で提供しています。大会に参加される際はお城や観光も楽しんでいただければと思います。
(実行委員会事務局 永岡裕治さん)

串崎城の城下町である長府

維新の里 萩城下町マラソン

武家屋敷と商店街を疾走 歴史情趣あふれる城下町のレース

https://hagi-joukamachi-marathon.jp/

吉田松陰の生誕170年を記念して2000年に始まった萩城下町マラソンは、世界遺産に登録された萩の城下町を走れるハーフマラソンです。碁盤目状の城下町には昔ながらの武家屋敷が残り、昨年からは日本最大級の高麗門である「北の総門」もコースに組み込まれました。
7㎞過ぎからの城下町にある商店街のアーケードを通るのも魅力の一つです。昨年ゲストランナーとして来てくれた川内優輝選手も「海外マラソンみたいですごく楽しかった」と言ってくれました。コースはカーブが多いものの、フラットでスピードが出しやすいと好評です。
萩城は1604年に毛利輝元が建てた城で、天守閣は残っていませんか、夜には石垣がライトアップされて市民の憩いの場となっています。萩市は吉田松陰の他にも高杉晋作、木戸孝允、伊藤博文など幕末や明治維新で活躍した人物を輩出しており、彼らが学んだ松下村塾や明倫館、毛利氏のお墓がある東光寺など歴史的な名所がたくさんあります。
市内には100円で乗れるバスが走っており、半日ほどで回れるので、午前中にハーフマラソンを走った後でも観光ができます。また、萩市はあまだいや見蘭牛など海の幸、山の幸も豊富で、ランニングと観光の両方を楽しんでいただけると思います。
萩市は山口県の日本海側にありますが、宇部空港や新山口駅からも1時間程度でアクセスできます。「城マラソンと言えば萩」と言われるように盛り上げていきますので、ぜひ来ていただければと思います。
(大会実行委員会 藤原昌隆さん)

前回から「北の総門」がコースになった(実行委員会提供)

世界遺産姫路城マラソン

好タイムが望める〝お城〟マラソン 次回は記念大会として開催

http://himeji-marathon.jp/

名前の通り世界遺産である姫路城を背にスタートし、三の丸広場にフィニッシュする大会で、今年が4年ぶりの開催となりました。市街地を出て郊外の田園地帯を折り返すルートのため、姫路市のいろいろな表情を見ていただけます。高低差はあまりなく、好記録が狙いやすいうえに、沿道の応援が多いことから「最後まであきらめずに走れた」という声もいただいており、ランナーからは好評です。
前日受付では参加者に姫路城の無料入場券も配布しており、大会当日も含めて見学できるようになっています。また、姫路城に隣接した日本庭園「好古園」に大会当日は無料で入れるほか、コースの25km付近からロープウェーで上がる圓教寺は映画『ラストサムライ』や大河ドラマ『軍師官兵衛』のロケ地となったことで知られ、観光地として人気があります(大会当日は交通規制があるため、観光するなら前日か翌日を推奨)。
姫路は姫路おでんやアーモンドバター、焼きそばと焼きうどんを合わせた「姫路ちゃんぽん」などご当地グルメも豊富なので、観光や食べ物も楽しんでいただければと思います。
2023年で姫路城が世界遺産に登録されて30年目を迎えるため、次回はお城マラソンに加盟するだけでなく、記念大会としても盛り上げていきたいです。
(実行委員会事務局 木村圭吾さん)

フィニッシュ地点は姫路城の三の丸広場(写真/下山展弘)